インターネットはこじつけがひどい。
こじつけたやつが勝ち、こじつけられないやつが負ける。こじつけたやつが金を儲けると言っても過言ではない。
今回は、世の中にはびこる悪質なこじつけのメカニズムと、こじつけに騙されない心構えをお伝えしようと思う。

毛髪診断士。
前職はライター。育毛の記事を800以上書き、『育毛剤で髪は生えない』と気付く。
騙される人を減らしたい!
育毛関係のこじつけ
育毛剤を販売するアフィリエイトサイトを見ていくと、驚くほどたくさんのこじつけに出会う。例を挙げていけばキリがないのだが、代表的なものをご紹介しよう。
薄毛に効果のある食べ物はコレ!
ワカメを食べると髪の毛にいいとか、肉を食べると髪の毛にいいとか、トマトを食べると髪の毛にいいとか、ほうれん草を食べると髪の毛にいいとか…、「もう何でもいいじゃん!」と思うぐらい様々な食材が髪の毛に良いとして紹介されている。
ひとつの食材には、当然いくつかの種類の栄養素が含まれている。それぞれの栄養素には、また様々な働きがある。その働きのどれかが、髪の毛に良さげな働きをするのは当然である。
例えば、「血液をサラサラにする成分を摂取することによって、血行が促進され、毛根に栄養が届きやすくなる」「髪の毛はたんぱく質でできているから、タンパク質を摂取すれば髪の毛が作られる速度が上がる」などのこじつけがよく見られる。これは一見正しい理論のように聞こえるかもしれない。
しかし、血行が促進されても薄毛は治らないし、タンパク質は体内でアミノ酸に分解されるので、どちらも理論が破綻している。
同じような理屈で言えば「血液中の水分量が減ると、血がドロドロになって血行が悪くなって髪の毛に栄養が届かなくなる。だから水は育毛に効果的な飲み物なのです!」というハチャメチャ理論になる。水をがぶ飲みしても髪の毛が増えないように、どんな食材をどれだけ食べても髪の毛が増えることはない。
むしろ「髪の毛にいい影響を与えない食材」を探す方が難しいと思う。
薄毛の原因はストレス!
薄毛の原因として最も広く誤解されているのがストレスであろう。
先にお伝えしておくと、どんなにストレスのかかる環境下にあっても、ストレスが原因で薄毛になることはないので安心してほしい。
しかし、ほとんどの育毛剤アフィリエイトサイトでは、ストレスが薄毛の原因であるとこじつけている。
こじつけの趣旨はいくつかあるが、代表的なものは「ストレスを受けると自律神経が乱れ、筋肉が緊張し、血管が収縮し、血行不良になる」「ストレスを受けるとベタベタした汗が出るようになり、この汗が毛穴に詰まって髪の毛が抜ける」などである。
髪の毛の知識がない人がこうした情報を知ると信じてしまうかもしれないが、血行不良になっても薄毛は進行しないし、汗が毛穴に詰まったところで髪の毛が抜けることはない。
ストレスと薄毛の「無関係性」については下記を参照
全体を通じて、薄毛に関するこじつけは「風が吹けば桶屋が儲かる」的にぐるぐる回った末に育毛に結びつけているという印象がある。髪の毛が抜ける原因はもっと単純だし、髪の毛を増やす方法も、そんな回りくどい方法ではなく、もっとストレートな方法である。
本当に髪が生える方法は下記を参照
G×G Hair Growth レシピ【高確率・低価格の発毛法】
すべての理論はこじつけが可能
インターネットに限らず、ありとあらゆる物事はこじつけが可能である。一見「そんなバカな」と思うことでも、あっさりとこじつけることができる。
大学のゼミで教わったこと
僕は大学で広告の勉強をしていた。そこでゼミの先生に「あいうえお作文みたいな標語は誰でも作れる」と教わった。これは良い意味ではなく悪い意味だ。
よくある「調味料のさしすせそ」のようなものは、聞いた人は「よくできてるな」と思うが、作る方からすると、案外あっさり作れるのである。「広告を作る上で、こうした安易な方法に流されてはいけない」ということを先生は教えてくれた。
やってみよう「なんでもあいうえお」
どんなテーマでもいいから、あいうえおでこじつけて標語を作ってみよう。案外あっさり、それっぽく作れるものだ。ABCでもいい。
ノートのあいうえお
開けやすく
傷みにくく
薄くて
鉛筆に合う
大きなノート
カレーのあいうえお
味わい深く
インドの香り
うなるほどのコク
絵になる見栄え
王様のカレー
パソコンのABC
Artistic(芸術的で)
Beautiful(美しく)
Comfortable(快適な)パソコン
今目の前にあるものをテーマに適当に作っただけだがそれっぽくなった。
自信を持って話せばこじつけが真実になる
誰がどう考えても1+1=2である。この不変の法則を、こじつけによって変えてみよう。
「1+1=1なんです。粘土を想像してみてください。2つの粘土を混ぜたら、ひとつの大きな粘土になりますよね。大きさではなく、数で考えれば1+1=1なんです。」
別な切り口でこじつけてみよう。
「1+1=100なんです。ハツカネズミを想像してください。オスのネズミ一匹とメスのネズミ一匹を、同じカゴの中にいれたらどうなりますか?その名前の通り20日で子供を産み、その子供同士がまた子供を産み、あっという間に100匹になってしまうでしょう。だから1+1=100なんです」
1+1=2という不変の法則ですら、こんなにあっさりとこじつけることが可能なのである。
重要なのは、自信を持ってこじつけることだ。話すのなら、堂々と相手の目を見て、ゆっくりと大きな声で話せば、どんなこじつけであろうと相手は信じてしまう。文章の場合であれば、語尾を「だと思います」ではなく「なのです」と言い切り形にするだけで、同じ内容の文章でもこじつけが信じられやすくなる。
ネットはこじつけの温床
現実世界よりも、インターネットの方がこじつけが横行している。このこじつけによって、必要のない商品を買わされたり、詐欺にあったりする人がいる。
記事を増やすためにはこじつけるしかない
Googleが牛耳るインターネットの世界は、徐々に「質」の世界に入り始めたが、現状まだまだ「量」が優勢である。
その記事がどれだけ真実であるか、魅力的な文章であるかはGoogleのAIは判断できない。だから、インターネットでアクセスを集めようと思えば、外注のライターにお金を支払い、キーワードの詰め込まれた記事を大量に発注し、物量で押し切るのが効果的なのである。
文字数、記事数という「数字」が、少なくとも現在のインターネットでは正義になっている。
しかし、ひとつのテーマについて何記事も書いて掘り下げていくと、次第に内容が枯渇してしまう。すると、どうしてもテーマをこじつけざるを得なくなってくる。
記事の更新をサボれば、検索のランキングが落ちてしまうかもしれない。記事の数を増やすためにも、とにかくサイトのテーマと何かをこじつけ、無理やり結びつけて記事を書くしかないのだ
検索キーワードはこじつけを生む
記事を書く際に重視されるのは「キーワード」である。多くの人が検索するキーワードを記事の中に入れ込むことによって、アクセスが増えやすくなる。そのサイトの収益はアクセス数に比例するので、できるだけ多くのキーワードを入れた記事をたくさん書けば収益が増える。
しかし、このキーワードというものがクセモノである。必ずしも関連性のあるキーワードだけではないのだ。人が検索する組み合わせは不思議で「これとこれって関係あるの?」と思うような検索をする人が一定数いる。
その、一見関係のない2つのキーワードを結びつけて記事を書くためには、こじつけ力が必要なのである。具体例としては、DeNA社のWELQの問題がある。
暴かれたこじつけ「WELQ」
【WELQ問題とは】
命に関わる医療系のメディアを、医師免許を持たない(というより、医療の知識ゼロの)不特定多数のライターが執筆し、検索上位を独占したという問題。
- 体験談はすべてねつ造だった
- 検索結果の上位に表示させるため、『肩こりは幽霊のせい?』『風邪には家系ラーメンが効く』などのでたらめな記事が書かれていた
- 「死にたい」というキーワードで検索をした際に1位に表示されたWELQの記事が転職サイトへ誘導するアフィリエイト記事だった
など、誰が聞いても「医療系メディアがそんな事をしてはいけない!」と思うようなものばかりで、サイトは閉鎖に追い込まれた。
この問題の例としてよく挙げられる「肩こりは幽霊のせい?」は、「肩こり 幽霊」と検索した人が一定数おり、WELQの運営者がライターに「肩こり 幽霊」のキーワードで記事を書いてくれ、と発注したために起こった。おそらくライターも困り果てた末にこじつけて書いたのだろう。
健康・美容・育毛がこじつけやすい4つの理由
上記のような背景で、インターネットはこじつけが発生しやすいのであるが、特にこじ付けられやすいジャンルが健康、美容、育毛ジャンルである。理由は以下の4つがある。
市場規模が大きい
これらはインターネットで大量の金が動いている大きな市場であると同時に、参入者も多い。超絶レッドオーシャンだ。だからこそ参入者はみな必死で売り上げを上げようとして、こじつけに精を出す。
すぐに結果がわからない
これらのジャンルは、記事に書かれた方法を試したり、商品を購入して使用してみたりしても、その効果がすぐに現れるわけではない。
サプリメントを飲んですぐに元気になるわけではないし、育毛剤を使ってすぐに髪が生えるわけでもない。
そのため、ある程度無理やりなこじつけをして、その情報が間違っていたとしても、読んだ人はすぐにそれが嘘だとは気づけないのである。
ブラックボックスが多い
医学は発達しているようで、人の体のことはまだよくわかっていない。
「わからない」とわかるのは勉強が進んだ証拠
という、どこかの大学のキャッチコピーがあったが、私たち一般人は医学的知識がないから「人体のことは大体解明されている」と思うのであって、その分野の専門家は「ほとんど解明されていない」と悩んでいる。
「個人差がある」で逃げられる
健康、美容、育毛については、何らかの対策を取ったとしても、その効果には個人差が生まれる。りんごダイエットを実践して痩せる人もいれば、痩せない人もいる。逆に太る人もいるだろう。だからこそ「一般的にはこうすれば効果があるけど、もし効果がなくてもそれはあなただから」という逃げがあるのである。
こじつけに騙されないために
インターネット、特に健康、美容、育毛のジャンルでは、こじつけによる悪質なアフィリエイトが横行している。本当に正しい情報を、インターネットの海の中で掴み取るためには、リテラシーが必要である。騙されないために、僕自身心がけていることをお伝えします。
利害関係を先に考える
まず、人の話を聞くときやインターネットに書かれている情報を読むときは、その内容を理解する前にその背景を考えた方がいい。
「この人は、自分にその話をすることで何のメリットがあるのか?」
「このWEBサイトは、ドメインやサーバーの費用、そして記事を書く労力などを使って、どのような利益を出そうとしているのか?」
ということである。基本的に人が情報を発信するということは、「相手にその情報を元にこう動いて欲しい」という目的があるはずだ。
そこがわからないと、全ての人が善意で、ボランティアで、何の見返りもなくあなたに情報を与えてくれていると勘違いしてしまう。
あなたが何か行動を起こすことで、相手にとって何らかの利益が生まれる。それは何なのかをまず考えるようにしよう。
もちろん、親や友達など、リターンを無視して情報を与えてくれる存在もいるし、本気のボランティアや企業の社会貢献・CSRのように、見返りを求めないギブも存在するので、全ての情報に「お前はどうやって儲けようとしているんだ」と身構える必要はないのだが。
信じるな、疑うな、確かめよ
沖ヨガの創設者、沖正弘の残した言葉に「信じるな、疑うな、確かめよ」というものがある。
沖正弘という人物は、モンゴル、中国、インド、アラビア、パキスタンなど世界各地を回り、現代医学や漢方医学、古代医療法を学んだ上で、1958年に自身のヨガを確立した。徹底して「現地に行って自分で確かめる」ということ繰り返して、導き出した答えがヨガだったのである。当然その時代にインターネットなどというものはない。
これは、ともすれば、スマホの検索で全ての情報を網羅しようとするインターネット社会にこそ、重要な意味を持つ言葉だと思う。頭から信じるのは危険だ。かといって全てを疑うと情報を手に入れられない。だからこそ、自分で確かめる力が必要なのだ。
遠回りのようだが、自分の経験が世界で最も信頼できる情報なのかもしれない。
病院と同じ薄毛治療を自宅で行う方法
確実に効果のある育毛・発毛法は何なのか?動画で解説しているので
「とにかく早く・確実に薄毛を治したい」という人は見て欲しい。
・育毛剤に20万円以上使い
・育毛剤の記事を800以上書き
・毛髪診断士の資格を取得し
分かったことが、これだ。
このように、薄毛は、アッサリと治療することができる。
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G×G Hair Growth レシピ
育毛剤を使ってはいけない。
病院と同じ治療を、自宅で、安く行う方法があるのだから。